一晩考えさせられた質問
読者のみなさん、こんにちは。
思春期ブルー相談室の海野しぶきです。
前回の記事で、娘がバイトを探し始めたことを書きました。
私は何年も前から家でできる仕事を勧めていたのですが、これまでの娘は聞く耳持たず。
ところが、引っ越したことやコロナウイルスの影響もあって、在宅ビジネスを視野に入れるようになりました。
それは良かったな、と思ってます。
ただ、ようやくひどかったパニック障害が落ち着いてきたところなので、そんなに焦らなくてもいいのに、というのが母としての本音。
(でも、やめとけば、なんて言いませんよ、もちろん。)
それで先日、娘がこんなことを聞いてきました。
「私が、“これまで一番になるためにがんばったこと”ってなんだろう?」
どういうシチュエーションでそんな質問が出てくるのか不思議だったんですけど、どうやら履歴書とか面接でそう聞かれることがあるそうです。
はっきり言って、無縁の世界。
娘みたいに中学不登校からひきこもりになると、一番を狙う状況なんて、ありませんからね。
何かをがんばったことはありますけど。
娘も困って、
「市民劇に出たときかなぁ?
高卒認定受けたときかなぁ?」
と首をかしげています。
「大会出るような部活の経験があれば答えやすいんだけどね。
美術部だしな〜。」
私はこのとき娘の話すことに同意はできたものの、何かこう、しっくりきませんでした。
しっくりこないもんだから、モヤモヤもやもや、一晩考えてしまいましたよ。
たしかに、市民劇にしろ高卒認定試験にしろ、そのときはがんばってましたけど、言っちゃなんですが一時的なこと。
でも、なんかこう、娘はずっとがんばってる気がする…。
うーん。
ああ、そうか!
あの子はひきこもりから脱するために、ずっと一生懸命がんばってるんだ!
そう気づいたのです。
それで満足して寝ました。笑
翌日、娘が起きてから。
普段なら私から話題を振ることは滅多にないんですけど、昨日の質問に、私なりの答えを伝えたくて、切り出しました。
「昨日、一番になるためにがんばったことって何だろうって話したときに、市民劇とか高卒認定とか、もちろんがんばったには違いないんだけど、なんか私としてはしっくりこなくて。
気になって、あの後も考えてたの。
あなたがどう思ってるかじゃなくてね、私から見て、がんばってるなー、って思うことだから、履歴書とか面接とかで使える内容じゃないんだけど、いい?」
うなずく娘。
「たぶんね、ずっとひきこもりを直すことをすごいがんばってるんじゃないかなぁ、って。」
「それは、そう!
それは一番がんばってる!すごいやってる!」
「だよね〜。私がどんだけ“このままでいいよ”って言ったって、全然このままじゃイヤなんだから。
とにかくね、昨日ひとりで考えて、これだ!と思ったから、私の意見としてどうしても伝えたかったの。」
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14歳からひきこもり始めた娘、明日で21歳になります。
思春期のころはあんなに大変だったけど、やっとこんな関係になれました。