不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


不登校、コミュ障の子にこそスマホやPCを

人間関係につまずいた子どもにはSNSがコミュニケーションの練習になります

発達障害やグレーゾーンの人を含め、コミュ障と言われる人(ここではST気質と言ってます)は、「空気が読めない」とよく言われますが、全くわからないというわけではなく、「言った後に空気が変わったと気づく」のです。

ST気質の子は思いついたことをパッと言ってしまい、そのストレートなもの言いのせいで変な空気になったという経験を持つ子も多いと思います。

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0か100の完璧主義ですから自分の失敗が許せませんし、過去の失敗をいつまでも引きずります。

二度と失敗を繰り返したくないという思いから、むしろ人の視線や表情に敏感になり、それが昂じて他人からの視線やささやき声まで攻撃と感じるようになるのです。


こうして負のスパイラルに入ってしまうとますますコミュニケーションは難しくなりますし、自尊心が低下していきます。

挙句の果てに人前に出られなくなり、不登校、ひきこもりとなっていきます。


子どもがずっと家にいるようになると、今の世の中ですから大抵の子はゲームやスマホ、PCにのめり込むことになるでしょう。

親世代の私たちは、依存やら障害やら中毒やらを気にして目の敵にし、肯定的に見られないシロモノですね。


しかしこれらは、実はとても気質にマッチしたものと理解した方がいい時代に突入しているようです。

私の個人的な意見ですが、ゲームやSNSは、他人とのコミュニケーションの練習となり、それがリアルなコミュニケーションにも役立つと思うからです。


ST気質(発達障害及びその周辺のグレーゾーン)の人は、視覚の取り込み方が独特で、人それぞれ強弱はあるものの見ることに関して特徴があるようです。

動体視力が優れている、
視覚での記憶力、判断力がいい、
微妙な色や形を識別する能力が高い、
蛍光灯やLED電球にまぶしさを感じる、
太陽光がダメ、
印刷物だと字が読めない、
特定の書体が歪んで見える、
視覚情報が多いと気分が悪くなる、
などなど。


ひとことでいうと、視覚が敏感ということになるのでしょうが、だからこそゲームがうまいんですね。

また、いわゆる学習障害と位置づけされるような特徴もありますので、学校で印刷物を使った勉強は辛いものになります。
思春期に入るころから教科書や印刷物の字も小さくなりますから、小学校高学年〜中学生あたりで自分の辛さに気づく子も多いようです。

ST気質の人は広い場所だと目から入る情報が多すぎて脳が疲労します。
けれどもテレビやPC、スマホなどの画面だと、ここだけを見ていればいい、となるので、安心して集中できるのです。

また、スマホタブレットは書体や文字の大きさを変えたり、バックを黒にするなどして自分に合う見え方に設定変更もできます。


こうしたST気質の人の視覚的な特徴を考えると、SNSのメッセージ機能はとても見やすいんですね。
時系列で並び、吹き出しで囲まれているので確認しやすく、ストレスを感じにくいというわけ。


ネットを介して自分の趣味の世界を広げれば知り合いもできるので、そのメンバー複数とチャットしても、目で確認できる情報は耳で聞き分けるよりずっと楽なはずです。

リアルにその場だと相手の表情を見て考え過ぎてしまい、合わせるのが難しいですが、文字情報だと多少のタイムラグは許されますし、自分が書いたものも確認できますから失敗が少なくすみますね。


話し言葉だと自分の言いたいことが伝わらずに誤解を生むのは一瞬のできごとですけど、文字であれば説明を足していくことで言いたいことが伝わっていきます。

少し返信に困る内容なら、よく考えながらゆっくり自分のタイミングで書いても、咎められることはないでしょう。

こういう作業は、リアルなコミュニケーションにも必ず役立っていきます。


だいたい、ST気質の子は困っている人を見ると自分も困ってしまう優しい子が多いので、SNSの文面にもとても気をつかうのです。

どういう表現が好まれ、嫌われるか、他人のSNSから学んでいきます。
漢字や言葉の意味、使い方はもちろん、あいさつの仕方やお礼の言い方、頼みごとや誘い方、交渉の仕方、断り方まで、実に多くのことを身につけます。
中には他の国の言語を習得する子も。


ゲーム中に親がびっくりするような悪い言葉が飛び出てくることもありますが、それは仲間内だから許されることで、おそらくリアルな友人関係でも同じだと思います。
リアルなスポーツだって、やる人も見る人も、お行儀よく叫んでいる人はいないですよね?


自分の趣味を通じて、SNS上で友だちができれば、その後はお互い会いたくなるもので、実際に会うようになります。

うちの娘が会う人たちもLINEやTwitterで知り合った人です。
中高生が怖いめにあった話もたくさん仕入れているので、友だち選びもかなり慎重にしてました。
お互い慎重になっている者同士で仲良くなっていくみたいですよ。


私がこれまで出会った相談者の方たちのお子さんも同じです。
出会いはネットでも、一緒にイベントに参加したり、旅行したり、ゲーム仲間の結婚式に出席したり、どの子もリアルにコミュニケーションできるようになります。


子どもに任せていれば、ちゃんと自分で仲間作りができるのです。


こうした数々の利点があるわけですから、ネットは良くないという親の価値観を子どもに押しつけない方がよさそうです。

禁止や制限は心を蝕むので、不登校やひきこもりの子には私は向かないと思うのです。

何かと条件を付けたり、与えないということは「あなたを信用していません」と宣言しているのと同じですから。

親から信じてもらえない子どものストレスは計り知れません。


幸せな人は、他人を攻撃したり意地悪をしないんですって。
炎上させたり荒らしたり悪口を書き込む人は、どう考えても強いストレスを抱えている人ですよね。
不幸な、気の毒な人だからそうするのだと思います。


おそらく、こういうことをする人は職場や学校だけでなく、家の中にも居場所がない不幸な人なんだろうな、と想像します。

本人だけの問題ではなく、家族が、親のあり方が、こういう人を作ってしまうひとつの要因となる可能性もあるのです。


わが子がそうなってほしくない人は、どうしたらいいのか深く考えてみてくださいね。


不登校でもひきこもりでも、子どものことを「この子は大丈夫!」と心の底から信じることがどんなに大事なことか。

すべて子どもに任せることがどんなに心のエネルギーを回復させることか。

 

今回の記事はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました!

    家族支援カウンセラー 海野しぶきでした🌊