不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


不登校。行きたくても行けない、心とからだ

不登校で休んでいても、心は家で休めていない子ども

私は家族支援カウンセラーとして活動しておりますので、不登校の原因をその子、またその家族の持つ気質と、社会的な背景も含めての子育ての仕方に要因があると理解しています。

その気質は、このブログの読者ならお馴染みの「ST(スペシャルタレント)気質」ですね。
発達障害及びその周辺のグレーゾーンの人までを含めた概念で、症状によって分類せずザックリした感じでとらえています。

不登校やひきこもりは、そのST気質の二次症状というわけ。

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家族支援メンタルサポート協会の森理事長の説明によると、この他にもST気質の二次症状としてたくさんの症状名が挙げられています。

うつ、起立性調節障害過敏性腸症候群統合失調症パニック障害摂食障害、対人恐怖症、強迫性障害、などなど。

つまり、心療内科や精神科領域の病院で付けられる診断名のものはST気質の二次的な障害だという認識。


その中には解離症状も含まれていて、解離性離人症、解離性健忘、解離性同一性障害なども上がっています。

簡単に言うと、大変なことが起こり過ぎて、心(もしくは脳)とからだが別個のものになっちゃうことですね。
多くの人に分かりやすいのは、自分に起こったできごとの記憶をなくす、解離性健忘ではないでしょうか。

辛かった時の記憶がない、抜けている、という症状は、わりとよく聞く話ですよね。
不登校の子どもも、あとから振り返ってみると、中学の記憶がないとか、覚えてない、とかよく言います。
うちの娘もまさにその通り。
そういう私も、ほとんど覚えていない時期があります。

人間の脳は、そうやって記憶を操作して自分の命を守るわけです。


さて。
先日ヒューマン・スタジオ代表の丸山康彦さんの講演を聞きましたが、ご自身の不登校体験をとてもわかりやすく解説してくださいました。

丸山さんは高校生のころに不登校となり、7年かけて卒業したそうです。
夢が教員になることだったので、どうしても学校を辞めたくなかったんだとか。


「行きたいのに行けない。」

不登校当時、この自分の状況を深く深く考えて、ひとつの答えを導き出しています。

登校できている生徒は、家と学校という場所を、一体となった心とからだが一緒に移動している。

でも、不登校の自分は、家と学校の間にグレーゾーンという場ができていて、からだは家にいるのに、心はグレーゾーンにいる、というのです。

つまり、心とからだが一緒にいない、別のものになっているのだとか。
そのため、からだは家にいるのに、常に頭の中は学校のことが気になるし、学校から離れられないのだそうです。


同じようなことを森理事長も言っていて、たとえ五月雨登校でからだは学校にいたとしても、心はここにあらず。
学校生活を楽しむことはできないし、家にいたとしても心から寛げない、と説明しています。


今回、不登校、ひきこもり経験者である丸山さんの講演を聞き、森理事長の話と並べて考えてみて、私が改めて気づいたのは、「不登校」自体が、既に解離症状なんだな、ということです。

からだと心が離れ離れで、自分ではどうにもならないのですから。


心は行きたいと思っている、というか、心は途中まで向かっているんです。
でも、からだは行ってくれない。

だから「行きたくても行けない」「行きたいのに行けない」と言うんですね。


解離症状が起きるほどストレスが強い子に対して、登校刺激をしたところでうまく行くはずもありません。

まずは、離れた心とからだが一緒になり、健全な、一体してる心身を取り戻すことが先決です。


それには、からだがいる場所を、心の方が、ここなら安心安全だ、と思ってくれないと、くっつけないですよね。

だから不登校の子には、一旦はひきこもれる部屋が必要なんです。

そこで、一生懸命にからだと心を縫い合わせているのだと思います。


それを親が無理やり部屋から出そうとしたり、病院に連れて行こうとしたり、何かと様子を見に行って邪魔したら、縫い合わせ作業が滞るばかりか、また裂けてしまうでしょう。


子どもの不登校に、親の関わり方が重要だと理解してもらうためには、こういう説明もありなのかな、と新しい発見でした。


……こんなふうに、丸山康彦さんの講演を聞き、私も深く考えてみました。

今お引越しでご多忙の先生に、この文が直に届くことはないと思いますが、それでもこの場を借りて、お礼を言わせてください。

丸山先生、新たな気づきをありがとうございました。

 

今回の記事はここまでです。
お読みいただきありがとうございました!

 

    家族支援カウンセラー 海野しぶきでした🌊