不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


「私の人生を返せ!」と叫びながら運転中の 母親の首を絞める子ども

「自分の人生を生きたい!」という子どもの心からの叫びをどう受け止めるか

不登校やひきこもりの子どもがいて、その手の講演会や親の会に出向いていると、実例としてよく出てくる話があります。

それは、子どもが「俺(私)の人生を返せ!」と母親に食ってかかって壁に穴を開けたとか、大暴れしたという話。

中には親が70代、子どもが40代になってからこのようなことが起こるケースもあり、家族支援メンタルサポート協会の森理事長も、母と子が陥る母子依存が長引くと、抜け出すのが大変だと言っています。

長年教育の現場、しかも不登校の子どもに携わっている先生方は、親の過干渉が子どもの人生を奪った例も数多くご存知です。
子どもの自殺や家族間の殺人事件に、親の過干渉が全く無関係だとは言い切れないのです。


しかし、前回の記事でも書いたように、過干渉とは子どもが誕生する前から夢見ていた子育てから始まっていますし、親は無意識のことが多く、なかなか簡単には抜け切らないものなんですよね。

私自身もそれで苦労したので、親の過干渉を排除するための心の持って行きかたをホームページやブログで説明しています。

このブログにたどり着いた方は、おそらくすでに親の過干渉が子どもを追い込むことをご存知だと思いますが、子どもを自分の理想のルートに乗せて成長させることを生きがいにしている人にとっては、過干渉というワードは受け入れ難いものではないでしょうか。

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人づてに聞いた話ですが、とても教育熱心なお宅のお嬢さんが、小学生の頃から遠くの私立の学校に通い、駅までの送迎と習い事の送迎を毎日お母さんがして、勉強もお母さんが見ていたというご家庭のできごとです。
娘さんが高校生になって間もなく摂食障害になってしまいましたが、お母さんの熱心な送り迎えは続いていたそうです。
そしてある日、いつもは助手席に乗る娘さんが後部座席からお母さんの首を絞め、「私の人生を返せ!」と叫んだんだとか。

走っている車の中で運転している人の首を絞めるということは、この娘さんがいかにギリギリの精神状態で自暴自棄になっていたかがうかがい知れます。

お母さんはこのことがあって、娘さんを通わせるつもりで心療内科を受診したところ、親の関わりが深く影響していることを知った結果、娘さんへの無理な要求を辞めたおかげで摂食障害も改善してきたと聞きました。


この親子の場合、あわやの事故に至らずに済んだので、お母さんが娘さんの心の痛みを考えるきっかけができたのだと思います。
娘さんの命がけの訴えが通じたんですね。

思春期の子の爆発的な衝動で、力加減がコントロールできなかったら、どうなっていたかわかりません。
また、もしこのお母さんが子どもの訴えを無視する人だったら、やはりどうなっていたでしょう。

この話を教えてくれた人は、私が海野しぶきとして活動していることを全く知らない人ですので、興味深い世間話としての話題でしたが、私はこの女の子が、全身全霊で「私はお母さんの人生を生きたいんじゃない!私は私の人生を歩みたいんだ!」ということを表現できて、本当に良かったとつくづく思いました。

そしてこのお母さんも、本当に子どもを愛しているからこそ、自分の愛情表現が間違っていることに気づけたのでしょうね。