不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


子どもの習い事に見る親の過干渉

子どもが望み、楽しんでやれることを

少し前の記事で、ST(スペシャルタレント)気質の代表例であるイチローさんのことを記事にしました。


【その記事がこちらです↓】

ST(スペシャルタレント)気質の代表例、イチローさんを解説 - 思春期ブルー相談室ブログ

 

そのイチローさんは、引退会見の席で子どもたちへのメッセージを聞かれ、
「自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければそれに向かってエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいと思います。
 それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも、向かっていくことができると思うんです。
それが見つけられないと、壁が出てくるとあきらめてしまうということがあると思うので。
いろんなことにトライして。
自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしいなと思います。」
と答えています。

私は、自分の娘が思春期ブルーで潰れてしまってからいろいろと勉強し、まさにイチローさんの言葉通り、子どもが(特にST気質の子)熱中できる好きなことをとことん追求できるように、親が環境を整えることがどんなに大事かを知りました。

親の無意識のうちの過干渉

私自身は、生まれてくる子どもの成長を夢見ていた妊娠中、お腹の子が男の子でも女の子でも、護身術を身に付けて欲しいと思い、合気道を習わせたいとか思っていたこともありました。
ところが生まれてきた娘は大変に自己主張が強いタイプで、興味関心が実にはっきりしている子でしたので、関心のない合気道を習わせるわけにもいかず。
赤ちゃんのころから水遊びが大好きでしたので、何の迷いもなくスイミングスクールに通わせたのでした。
引っ越しや転校などに伴って小学校の低学年で辞めてしまいましたが、その後不登校、ひきこもりを経験して親子の関係が改善してから娘に言われたことは、
「水で遊ぶのが好きだっただけで、泳ぎ方を習いたかったわけではない。」
ということでした。

ST気質の子は、好きなことを自分のペースでやりたいので、人から教わることを望まない子が多いと後から知りましたが、娘はまさにその典型。
水遊びが好きだから水泳を習わせる、という私の短絡的な思い込みで、娘にとっては「やらされていた」体験として記憶に残ってしまいました。

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友人の似たような話ですが、子どもが男の子だったら、万が一の水の事故に備えて、溺れることがないように水泳を習わせる、と言っていました。
そして実際2人の男の子をスイミングスクールに通わせていましたが、1人は水が苦手だったらしく、仰向けで浮くテストに合格するまでに2年以上かかったそうです。
周りの子たちはテストに合格してどんどん進級していくのに、小学生になっても自分は同じクラス。

生きているうちに出会うかどうかわからない事故のために、親の都合で週に一度以上その屈辱に耐えなければならないなんて、その子の自己肯定感が心配になる話でした。
その子が好きなのは、ピアノなんですって。
ピアノだったらお家で好きなだけ練習できるんですから、その子はきっとスイミングスクールに通う時間をピアノに熱中していたかったんじゃないかな、と思います。


冒頭のイチローさんの話に戻りますが、イチローさんもやはり人から教わるのではなく、自分のペースで研究しながら練習したかったので、毎日やったことはバッティングセンター通いだったわけです。
もし、毎日指導者から教わる形式の練習を親から強制されていたら、今のイチローさんはいなかったでしょう。
熱中できる大好きな野球を見つけ、親のサポートもあってとことん追求できたからこそ、立ちはだかる壁に向かっていける強い心が養われたんだろうと思います。


私の例にしろ、友人の例にしろ、子育てに対する無知が故の過干渉でしたね。
イチローさんが言っているような、子どもが熱中してエネルギーを注ぐことで育まれる、壁に立ち向かっていく力は、私の娘に関して言えば残念ながら思春期までに身につかなかったわけです。

本来は、何でもやらせてあげたい、好きなことを習わせてあげよう、という思いがあったはずなのに、この結果です。
親の思い込みって、本当にろくなもんじゃないですね。

子どもの好きなことは、習うこととイコールではありません。
子どもが楽しくて仕方がない、やりたくて仕方がないことが見つけられれば、習い事に結びつくことでなくても、どんどんとその世界を広げていくことが親の役目なんだと思いますよ。