不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


不登校、ひきこもり。過干渉な親ほど子どもの自立を願う矛盾

先回りし、子どもの進むべき道にレールを敷く親

私は、発達障害及びその周辺のグレーゾーンの、思春期ブルーに陥った子どもを持つ親ごさん専門でカウンセリングを受けています。

2ケ月に一度のペースで親の会も開催していますので、同じような状況のご家族の話を聞く機会も増えてきました。

不登校やひきこもりになる子どもには独特の気質もありますから、自分自身の経験も踏まえて、いかに親の過干渉な関わりが子どもに影響するかを伝えるために、ホームページで「受容までの道のり」として公開したり、こうして日々ブログを更新しているわけですね。

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私が出会うお母さん方、今現在子どもの不登校やひきこもりで悩んでいるお母さん方に共通しているのは、困っている今の状況を何とかしたい、という強い願いです。

不登校を何とか直したい。
ひきこもり状況を改善したい。
自立してもらいたい。

私としては、そのために必要なのは親の過干渉をやめることだと一貫して説明しています。


しかし、この過干渉は非常に難解で、お母さんたちにとっては自分のどこが、何が過干渉なのか、わからないほどに染み付いてしまっているものです。
子どもが不登校になって、ごく最近になるまで過干渉とはどんなことか、子どもにどんな影響があるかも考えてこなかった方が100%なんですから(私も当時はそうでした)。


過干渉な子育ては、親が気づいた時点で始まったものではありません。
大抵の場合は子どもが生まれる前から始まっているのです。
理想的な子育てのルート、ステキな情操教育をしてくれる幼稚園から、中高一貫校、有名大学への進学に一流企業への就職…。
誰からも羨ましがられるようなコースを親が用意しても、何のトラブルもなく、順風満帆でそのルートに乗っかる人生なんて、幻想だと思います。


親が先回りしてレールを敷くことで、子どもは自分の頭でアイデアを出して、実際に計画し行動する力が養われなくなります。
何でも用意されているんですから。
親の管理、支配、強制で、子どもはどんどんと自立する力を失ってしまうのです。

つまり、過干渉な子育ては子どもの能力を奪うことにつながるのです。
これは、親が自ら引き寄せた結果。

子どもが不登校になり道を外れたからと、慌ててそこから対処しようとしても、目的が子どもの軌道修正であって、過干渉をやめることではないので、いつまでも管理、支配が続くようです。

その管理型、支配型の子育てが続く限り、親がどんなに不登校やひきこもりの子どもの自立を願っても、どんどんと遠のいていくばかり。
事態は負のスパイラル…。
それくらい、過干渉とは恐ろしいものです。


子どもは親のものではありません。
子どもの人生は子どものものです。


私は自分の過干渉な子育ての果てに娘の自尊心、自己肯定感が崩壊し、日常生活を送るのもままなならないくらいになるほど追い詰めた自覚があります。
娘が自分の命を守るために不登校を選んだことで、やっと私が自分の方針が間違っていたことに気づいたのです。
それが娘が15の時。

気づいたから、やり方を変えたからといって、私及び夫の過干渉な15年間分の子育てが、ものの数ヶ月で娘を回復させるとは思っていません。
でも、気づいた時点で娘の前にレールを敷くのをやめ、娘の全てを認めて任せると決めたことで、娘が回復に向かったのは明らかです。

娘は私に小さなこと、ささやかなことに気づく力を養わせてくれ、おかげで毎日をたくさんの小さな幸せでいっぱいにしてくれました。
そして、家族が崩壊することなく、命に関わる事件も今のところ起きていません。

この春通信制の大学生となり、バイトも始めた娘は、最近ようやく自分と肯定的に向き合えるようになって、自分の取り扱い説明書作りができるようになってきました。
私は、これも自立の一つだと思っています。

自立とひと言で言うのは簡単ですが、自立の形もそれぞれの家族、その子の特徴、気質によって、いろんな形があってもいいのではないでしょうか。

不登校やひきこもりの子のことで悩んでいるお母さん方にも、ぜひ視野を広げてもらって、自分がいかに狭い価値観で生きているかを考えてもらえたらなーと思います。