不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


ST(スペシャルタレント)気質の代表例、イチローさんを解説

ST気質の代表例、イチローさん

今週末に、家族支援カウンセラーの養成講座があります。
かしめん協会の森理事長は、講座や講演会の際、ST気質をわかりやすく説明するための代表例として、メジャーリーグで活躍したイチローさんのことをよく引き合いに出すんですよ(^^)
鋭い五感の持ち主で、特に動体視力が抜きん出て優れていたため、数々の記録を打ち立てる活躍ができたのだと説明しています。

また、自分の創り上げたルーティンは一切ぶれず、マイペース・マイシステムに徹底しているところもST気質の特徴がよく現れていますね。
彼独特のこだわりについては、野球を知らない人でも一つや二つのエピソードは知っているでしょう。


私も、かつてテレビで見たイチローさんのインタビュー番組のワンシーンが非常に印象深く残っています。
あれだけの大成功を収めたイチローさんなのに、まるでさっき言われたかのように悔しそうな顔をして語っていたのは、小学生時代のエピソード。

小学生の頃からプロ野球選手になることを夢見て毎日父親とバッティングセンターに通っている姿を見た近所の人が、「あいつはプロ野球選手にでもなれると思っているのかね?」とバカにしたんだとか。
「その悔しさを今でも忘れられない。」と言っていました。
その後実際に夢を叶えてプロ野球選手となり、メジャーリーガーともなって、「世界のイチロー」になったにもかかわらずの発言です。

これは、ネガティブなことが記憶に強く残りやすいST気質の特徴そのもの。
あたかも今言われたように、まざまざとその時の感情まで思い出してしまうのは、弱〜いフラッシュバックの類いでしょう。
どんな成功者であっても、忘れ難い苦い思い出があり、本人にしかわからない生きづらさを抱えながら生きているんだ、ということをイチローさんの姿から感じたものです。


そんな悔しさにも負けず、イチローさんがあそこまで活躍できたのは、彼の夢を否定せず、全身全霊で応援してくれた家族の存在が大きいと思います。
小学生時代、多い年には1年のうち364日、お父さんと一緒にバッティングセンターに通ったそうです。
なぜ365日でないかといったら、元日だけはバッティングセンターがお休みだったからですって。
もし元日も営業していたら、迷わず練習していたんでしょうね。

息子が受けた屈辱は、もちろんお父さんも知っていたでしょう。
でも、どんなバッシングも気にせず応援してくれる家族がいたから、思春期に突入した以降も二次障害とならず、自分の道を貫けたのだと思います。
結婚してからは、おそらく奥さまが100%、いえきっと150%も200%も、イチローさんが思っている以上のサポートをしていたのだと思います。

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イチローさんが引退を発表した時、真夜中に行われた記者会見の生放送で、私は編集されていないインタビューを初めて見たんですけど、その独特な受け答えに、「わあ!本当にSTさんだわ!」と感動してしまいました。

同じST気質でも、『話したい』という欲求の強い人だと、インタビュアーの質問に沿った答えが返ってくる前に、話がどんどん横道に逸れて膨らんでいき、あれ?最初の話題は何だっけ?みたいなことになります。
しかし、イチローさんの場合は、『正しく答えたい』という欲求が強いので、質問の内容も細かく確認した上で、時間をかけて考え抜いて答えます。

言葉一つひとつへのこだわりも相当なもので、全く妥協がありません。
「18、19の頃は1軍に行ったり来たり。」と表現してみたものの、納得いかなくて何度も言い直していたあたりが典型的だったと思います。
自らの言い間違いや意味の取り違えも、スルーすることができないんですね。
みんながわかってくれるように、言葉を選んで、丁寧に、詳しく説明してくれます。
この真面目さ。頑固さ。

記憶力がいいので、同じ質問には二度と答えませんし、進行役の仕事である質問数の管理も、気になって仕方がないのでつい口出しして仕切っています。

まさにST気質!


彼にとって大切なのは、毎日野球の練習をすることなんですね。
子どもの頃と同じです。
自分でも「ジッとしていられませんから、明日もトレーニングしますよ。」と引退会見で言ってましたが、自分の特徴をよく理解している発言だなぁと思いました。
手を抜いたり、いい加減ができないんですよね。
こだわりの職人さんや芸術家と同じです。
毎日コツコツと繰り返す中で、少しでも上手くなりたいんですね。
あくまでも指標は自分の中にあり、自分だけの目標がクリアできればいいのだと思います。

会見で今後を聞かれ、「監督は無理ですよ。人望がない。」と答えていたイチローさん。ST気質の観点から考えても、あらゆることを見通して、チームが勝つためにいろいろ考えなければならない監督業は、生粋のプレーヤーのイチローさんには向いていないでしょうね。

草野球を極めるとも、子どもの指導に興味があるともおっしゃっていましたが、これまでは自分の上達を目的としていたところを、子どもたちが上達することに転換するのは、喜びがあって楽しいかもしれません。
まだ40代ですからね!
教え子の中からプロで活躍する選手が誕生する可能性もあるわけです。
イチローさんの野球人生は、まだまだ続きますね!