不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


大学を休んだ娘の、いかにもらしい理由

娘の成長と変化

現在19歳の娘は、高校1年生の夏休み前に高校を中退して以降、ひきこもり生活を送っています。
昨年秋に高卒認定試験に合格し、春には通信制の大学生となりましたが、生活自体は変わっていません。
アルバイトもスタートしていますので、そういうことを書くとまるっきり普通のお嬢さんを連想する方もいらっしゃるかもしれませんが、娘のスタイルはちょっとズレていますから、大学もバイトも、ひきこもりでも大丈夫なところをチョイスしているのです。
そしてそのやり方は、私たち夫婦も娘に合ったやり方だと思っています。

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週に一度の家庭教師の先生が来る時に、大学の複雑な手続きを一緒にやったり、提出課題をやったり。
大学のスクーリングは週に1〜2度あり、そのほかにアルバイトが週に1回入ったら、もう娘はいっぱいいっぱいになってしまいます。

それでも、これだけのことができるようになったのです。
不登校になった頃や学校を辞めた頃の落ち込み方から比べれば、雲泥の差。
怒りが爆発することもなくなりましたし、穏やかになりました。

そして一番変わったなーと思うところは、自分の状態や考えを私に教えてくれるようになったところです。
説明がとても上手になりました。
最近は病院でも自分の口で説明していますし、私が補足することはほとんどありません。
親の目から見たらこうだった、ということを伝えるくらいです。
(しかし、一人で病院には行けません。)


娘が感情的にならず、冷静に自己分析して報告してくれるたびに、彼女の成長に驚きますが、娘の基本であるST気質(発達障害及びその周辺のグレーゾーン)が変わるわけではありません。

気質的な特徴からくる融通の利かなさ、頑固さ、ルールに厳格な部分、というのが、有るか無し、0か100の選択しか生まず、「まぁいいや」となれないことで結果的に苦しくなるところは同じなんです。

ただ、以前は一人でフリーズして固まり続ける、もしくは大爆発することでしか対処できなかったのに、今は言葉で表現できるようになったんですね。

この間は、娘の話し方がとても面白かったことがありましたよ〜。

娘が週に1〜2度行く大学のスクーリングは、通信部門の受講とは別に、その2日間受講すれば単位が取れる仕組みとなっています。
なので毎日の外出が難しい娘でも、その2日頑張れば単位が取れますし、外に出る機会を増やしたい娘にとっては練習にもなり、一石二鳥なんです。

少しでも興味を持てそうな内容の講義を受けるように申し込みをしてはいるのですが、いざ受講してみたら、朝から夕方まで集中力を維持できないほど面白くなかったのがあったようです。

受講は翌日もあるわけですが、真面目な娘はサボることもできませんし、払ったお金が無駄になるのも嫌ですし、正当な理由を探すのが大変なんですね。

普段はそれほど口数の多くない娘が、そろそろ寝ようとしている私をつかまえて、熱弁が止まりません。
途中で口を挟もうものなら「まだ話してる途中!」と怒られてしまうので、とにかく話の腰を折らないように慎重に聴くように私も集中です。

娘としては、自分にとって興味がないだけで、先生は受講生が退屈しないように工夫を凝らしていることはわかるんですって。
穴埋めのプリントを配布して作業を加えることでただずっと聞きっぱなしにならないようにしたり、ハキハキと明るい口調の先生だから、眠くなるわけじゃないし、と。

おそらく、この時の私は娘にとってはいい受講生だったらしく、珍しくその場で自ら結論までたどり着きました。

「なんでこんなに悩んでるかっていうと、最後の言葉が決定的だったの!
『明日は這ってでも来てください。』って言ったんだよ!
『雨だろうが何だろうが、這ってでも来てください』って。
これで一気に行く気が無くなった。
っていうか、絶対行かない、って思っちゃった。」

だそうです。


「そうか、そうか。わかった、わかった。
そんな風に上から目線で強制されたら絶対嫌だもんねー。
もしかしたら、私とかパパが昔に言ってたことかもしれないし、いろんなことを思い出しちゃったかもしれないもんね。」

と私が言うと、うなずく娘。
私は続けました。

「多分先生はね、明日の授業の方が面白いから、みんなに楽しみにして欲しくて、冗談のつもりで言ってるんだと思うけどね。
年配の生徒さんだったら、そう言われたら面白がるでしょ?
だから、決して強制の意味で言ったわけじゃないんだけどね。
でも、あなたなら嫌よね。
それもすごくわかる。」

と言ったら娘、ホッとした顔。
休む正当な理由となったようです。


中学や高校でも、おそらくこういう気持ちになっていたんだろうなーと思います。
当時は全く言葉にできませんでしたが、今はこんなにプレゼンしてるんです。
すごい成長だなぁと感心するばかりです。

私は娘が休んでも罪悪感を感じなくていいように、言いました。

「パパなんて、大学で出席取らない授業は全く出ないで、真面目に授業出てる人からノート借りて、テストだけ受けてたよ。
親が高い授業料払ってんのに、全然平気な顔してサボってた。
まぁ、当時の大学生なんてそんな人ばっかりだったから、悪いことしてるっていう意識もなかったんだけどね。
私はあなたと同じで真面目だから授業には出てたけど、全然やりたいことじゃなかったから、全く覚えてないし、あんまり意味のない2年間だった。
あなたはとにかく面白いと感じることが大事なんだから、つまらないってわかってることをわざわざする必要ないよ。」

娘、ぐた〜っとしていたのにシャキッと立ち上がって、

「今回は休むのが初めてだったから、罪悪感がすごかったんだけど、一度できれば次からはここまで悩むことはないと思う!」

と元気になりました。

そして、実際この翌週も休むことになったのでした。
ま、吐血してしまったので理由は全然違うんですけどね。