不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


「子どものうつ」NHK番組の感想〈原因となる発達障害について〉

子どもでもなるうつ病。原因は発達障害

前々回の記事で、子どものうつ病をテーマにしていたNHK「きょうの健康」の番組内容を紹介しました。


【その記事がこちらです↓】 

ssbluesoudan.hatenablog.com

 
番組では、児童思春期精神医学の専門家である北海道大学特任教授の齋藤卓弥先生が、うつになる原因には発達障害があること、また子どもには抗うつ剤は効果がないことを解説していました。

前回の記事では、治療薬について私の感想を書きましたが、今回はうつ病の原因となる発達障害について考えてみたいと思います。

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番組中に齋藤先生は「専門家の中でもやっと最近気づかれてきた」とおっしゃっていましたが、発達障害のある人が二次障害としてうつ病を発症するとのことです。
生きづらさがあるのに周囲の理解が少なく、ささいなことで怒られ続けることで自己の評価が下がるためだそうです。

発達障害を疑って医療とつながるケースより、二次障害の診断がきっかけで発達障害とわかるケースが多いということですが、不登校をはじめとする思春期ブルーに関わっていると、それはそうだろうと思います。


番組では、専門家の先生お決まりの言葉を使っていました。
「早期に発達障害と気づいて、適切な対応が取れれば、うつ病の予防になる」と…。

う〜ん。
…大抵、二次障害になってから発達障害だとわかるんだし。
しかも、診断されなかった人は、それはそれで辛いんだぞ。。。

グレーゾーンの人を除外しない考え方をすると楽になります

生きづらい、ということは何かしらの困り感があるわけで、日常生活に影響を及ぼすようになっていたら、それは二次障害の範疇に入ります。
そして、この二次障害は、発達障害の人だけでなくグレーゾーンの人もなるわけです。


私は家族支援メンタルサポート協会が提唱している『ST(スペシャルタレント)気質』に親しんでいるので、発達障害でもグレーゾーンでも、同じ気質として理解しています。
なので、うつ病の診断をきっかけに発達障害の検査を受けても、診断がつかなかった人は、要するにグレーゾーンだ、という認識です。

これは大人の場合の話ですが、二次障害がきっかけで発達障害と診断された人は、生きづらさの原因がわかってホッとした、納得した、という方が多いようですね。
一方、診断されなかったグレーゾーンの人は、0か100の気質から発達障害以外の原因探しを始めることとなり、かえって不安やストレスが強くなる人もいるようです。

「ST気質」として考えれば、こうしたストレスは全く不要、ということになりますね。

病気も含めてその人自身、と受け入れられる世の中に

それに、発達障害と診断されたからといってそれを治す薬があるわけではなく、処方されるのは二次障害として起こっている症状を抑える治療薬。
つまり、発達障害でもグレーゾーンでも、治療の仕方は同じなんですね。

治療の基本は、齋藤先生が使っていた医学的な表現を使うと「環境の調整」「共感する」です。
これは、私のような不登校の子どもを持つ親ならおなじみの言葉。
結局は「受容する」ことなのです。


うつ病が中等症・重症の場合、命が危険にさらされるのを遠ざける治療や支援は絶対に必要だと思います。

でも、発達障害やその周辺のグレーゾーンの人の生きづらさというのは、生まれ持った脳の気質的なものですから、治すもの、治るものではないんじゃないかと私は思います。
自分の脳や身体の仕組みを知って、少しでも生きやすくするために工夫するものです。

気質から生じる二次的な症状も、完治を目指すものとはちょっと違うんじゃないか、とも思っています。

先ほどの繰り返しになりますが、自殺関連行動が起きないための治療は進めるべきです。
しかし、気質から生じる軽症のうつ病をはじめ、その他の病気や症状は、「それも含めてのその人」として受け入れられるべきなのでは、と思うのです。


世の中、そんな完璧に健康体の人なんて、そうそういないですよー。
人生中盤も過ぎれば、誰だって二つや三つ持病があるものです。
身体の病気なら許せるけど、精神の病気はダメなんて言われても、脳の気質的なものが原因なんですから、元々そういう風になりやすい人なんです、としかいいようがないですよね〜。
社会に、病気別に優劣をつけたり差別する風潮があることも影響しているんでしょうけどね〜〜。
ここであまりテーマを広げると収拾がつかなくなるのでやめますが…。


大事なのは、本人も家族も、その状態を受け入れられるかどうか、本人が自分なりの健康感を持てるかどうか、ではないでしょうか。

「病気があっても、生きづらさがあっても、自分なりに頑張って生きている」と実感していれば、それでいいんじゃないかと思います。
誰とも比べる必要はないですし、自分が思えればいいんです。

自分を好きになるのは難しいかもしれません。
でも、頑張っている自分を肯定できたら、それなりに幸せなんじゃないかな、と思います。

そして、周りの大人が頑張っているその子そのものを認めること。
そうすれば、うつをはじめとする二次障害の症状も軽くなるのではないでしょうか。