不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


「子どものうつ」NHK番組の感想〈治療について〉

番組を見た私の率直な感想

前回の記事で、子どものうつ病をテーマにしていたNHK「きょうの健康」の番組内容を紹介しました。

番組では、児童思春期精神医学の専門家である齋藤卓弥先生が、うつの背景には発達障害があること、また子どもには抗うつ剤は効果がないことを伝えていました。

NHKEテレらしく、遠慮がちで丁寧な言い回しで表現していましたが、この事実は発達障害の子どもを持つ親にも、また今現在思春期ならではの苦しさから通院している子の親にとっても、衝撃的な内容ではないでしょうか。

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私は、家族支援メンタルサポート協会の森理事長の教えと、心の師匠であるあいあいキッズクリニックの故北島先生の言葉から、上記の2点については周知の事実でしたが、今回の番組のようにデータを元にはっきりと公表しているのは初めて見たので、やっぱりそうだったんだ、証明されているんだ、というのが率直な感想です。

子ども用の抗うつ剤は存在しないという事実をどう受け止めるか

これまで私自身、ST気質(発達障害及びその周辺のグレーゾーン)の人は病理の域との境界線にいるので、ストレスがかかると二次障害として精神的な症状、身体的な症状が出やすい、と説明してきました。
それに加え、脳に作用する薬は思春期の子どもには使うべきではない、という両先生の言葉を受け、私も同じことを伝え続けています。
実際、私の娘は薬が思わぬ作用をしてしまい、様々な薬で副作用に苦しみましたからね。

【過去のブログで参考になりそうな記事がこちらです↓】

ADHDの治療薬 : 不登校 ひきこもり 家族支援カウンセラー海野しぶきの思春期ブルー相談室ブログ

発達障害脳だと、薬の効き方も独特になりがち? : 不登校 ひきこもり 家族支援カウンセラー海野しぶきの思春期ブルー相談室ブログ

薬を嫌がる思春期の子どもに、親はどうすればいいか? : 不登校 ひきこもり 家族支援カウンセラー海野しぶきの思春期ブルー相談室ブログ

 

最近はおしゃべり会やカウンセリングを通じて生のお母さん方の声を聞くことが増えてきましたが、子どもに飲ませる薬についてのお悩みは多いなぁと感じています。

「きょうの健康」で解説していた齋藤卓弥先生もおっしゃっていましたが、使うならば本人、家族がきちんとリスクと効果の説明を受けた上で使っていく必要があるとのこと。

齋藤先生の言外の意味を汲み取ると(汲み取ってはいけないかもしれないけど…)、新しい研究データを知らずに、子どもに適しているとはいえない薬を安易に出している医師の存在も感じました。

別の見方をするならば、リスクもきちんと説明を受けた上で、飲むか飲まないかの選択権は患者さんサイドにある、ということなんだと思います。


患者の立場になると、医師の診断や処方は絶対的なものと感じてしまい、迷いながらも子どもに薬を飲ませ続けるお母さんの気持ちもわからないではないです。
実際私も、上に挙げた過去記事でも書いていますが、副作用になかなか気づかず、娘にストラテラを与え続けていた経験があるので。

でも、その過程で森先生や北島先生との出会いがあり、不登校の娘を受け入れていくうちに、薬を飲むかどうかの選択は娘がすることだとわかっていったのです。
私が決めることではないですし、ましてや医師でもないんですね。


思春期ともなれば、飲んだ後の変化や異変があれば、うまく言葉で説明できなくても感じることはできるはずです。
飲みたがらないのであれば、何かしらの違和感があるということ。
親はその感覚を信じて、子どもに任せることが治療そのものにつながっていくのでしょう。

子どもが飲みたがらないのに飲ませる行為は、子どもにとっては親の強制・強要・支配でしかなく、自分が否定されたと感じるので、目指す治療の方向とは逆に行ってしまいます。
医学的にも治療の基本は環境の調整であり、共感することです。
それにより親子の関係、また子どもの自尊心を回復することが治療そのものになるのです。

おそらく、私がホームページの方でまとめている「受容までの道のり」は、治療がうまく進まないお母さん、お父さんにもお役に立てるのではないかと思いました。
まだご存知でない方は、一度ご覧になってみてくださいね。

不登校、ひきこもり「受容までの道のり」14カ条