不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


不登校の理由の考え方

なぜ不登校になるか、表出した現象を引き起こす本質に目を向けます

お子さんの不登校やひきこもりの原因を考えた時に、
人間関係(友人・先生など)のつまずきや、いじめの問題、
また起立性調節障害や過敏性腸症候群などの身体に現れた症状、
うつ病や強迫性障害など心に現れた症状、
これらが複合的に現れたことが直接の原因と考える方が多いと思います。
そして、その症状さえ取り除けば元に戻れると考える方もいらっしゃいます。

しかし、実際は多くの子が同じような状況でも不登校にならずに学校生活を送っていますね。
なぜ学校に行けないほどの症状が起きているのか、その症状が起こらざるおえなかった元の原因までを、ぜひ考えてほしいなーと思います。

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最近では、得意不得意の強弱の落差からくる特徴的な気質について、“発達障害”というくくりには入らないけれども、生きづらさを抱えている人が多くいることをご存知の方が増えてきました。
発達障害の知識がある方は“グレーゾーン”として認識していると思います。


家族支援メンタルサポート協会では、発達障害及びその周辺のグレーゾーンの人をひとまとめの“気質”としてとらえ、「ST(スペシャルタレント)気質」と言っています。

ST気質の人は、真面目で優しく、責任感が強くて、記憶力の良さから成績優秀な子も多いです。
繊細で、五感力が豊か。
鋭い感性を持ち、ひらめきに優れていて、やりたいことのアイデアをたくさん持っています。
興味関心があることへの並外れた集中力と
これと決めたことへのずば抜けた行動力を持ち合わせ、特化した才能を開花させる人も少なくありません。

ST気質をマイナス面から説明してみると…

このような特徴があるのですが、これらの優れた才能を、マイナス面から評価すると以下のようになります。

こだわりが強く、独自のルール以外は受け付けない。
協調性に欠け、集団適応能力がない。
五感の過敏さから、食べ物、衣類、匂いなどの好みがうるさい。
0か100、良いか悪いの二分法で考え、あいまいさを受け入れるのか難しい。
自分が納得しないと物事に取り組めない。
人並みを要求されたり、急かされると途端にやる気を失う。
締め切りを守れない。

など。
大雑把に書きましたが、不登校の子どものことで悩んでいるお母さんの「何で?」は、大体このマイナス面からの評価の応用で説明が付きます。


元々集団の中でみんな一斉に同じことをするのが苦手な子たちですから、日本の一般的な教育を受けている子であれば、幼稚園くらいの小さな頃からST気質の子たちの我慢はスタートしています。

幼稚園や小学校では、みんなと同じ行動ができないと先生や周りのお友だちから怒られちゃいますね。
パワーが有り余っているタイプの子は怒られることを選びますし、怒られることが怖いタイプの子は人一倍努力して怒られないように行動します。

不登校になるまで優等生だった子は後者のタイプの子が多く、いろんなことを我慢して努力しています。
自分がこうでいたいという理想像を作り、そこから少しでも落ちると自分が許せず、オールオアナッシング思考から急に学校に行かない、となります。


またST気質の人は、視覚的、聴覚的なインプットが得意なので、今入ってきた情報が記憶している情報と違うと、それをすぐに口に出します。
ヘアスタイルを変えた友だちや親に「変!」と言ったり、人の言い間違えを指摘するのは、このように五感と記憶力の良さが結びついた反応だと思いますが、これを繰り返していたら嫌われてしまいますね。

反面、自分の考えや感想を言葉としてアウトプットするのは苦手な特徴もあります。
興味関心のあることについては延々と詳しく説明できますので、おしゃべりが得意、話すことが好きなのかというと話は別で、親が本当に知りたいことはわからなかったりするのです。

気質、本質、特徴…その子そのものが否定され続けると心のエネルギーがなくなります

親は大抵の場合、不登校やひきこもりなどのつまずきを見せるまで、子どもに独特な特徴があることに気づきません。
そのため子どもが小さな頃から「何でやらないの?」「どうしてこうなるの?」と怒ってきたお母さんも多いと思います。

口調は穏やかだったとしても、理由を聞かれても説明できない子どもにしてみたら、親のその態度は自分を非難・否定している姿にしか映りませんよね。
自分がどれだけ苦労し、苦痛に耐えながら学校生活を送っているのかわかってもらえないばかりか、もっともっとと要求され、今の自分を肯定されることがないのです。

親の方は将来の安泰のために応援しているつもりなんですけどね。
“今のキミが完璧”と存在そのものを価値あるものと評価してもらったことがない子どもにしてみたら、健全な自己肯定感が育たなくても仕方がないのかもしれません。
親が今の子どもを肯定したことがないんですから、子ども自身も自分を否定してしまうでしょう。
心は鏡の法則ですね。


学校にいるだけでもエネルギーが奪われるのに、家に帰ってもストレスが発散ができず、子どもの心のエネルギーは減る一方。
もう限界、となった時に二次障害として身体や心に表出します。

不登校は、長年の積み重ねでそうなるのであって、急になるわけではありません。
気質、本質の面から考えると以上のような説明となるのです。

そのため身体や心に現れた症状だけを治そうとしても効果は限定的となるんですね。
まずは子どもの特徴、気質を理解することから。
そして、マイナス面から見ていた視点をプラス面から見るように切り替え、子どもの存在そのものを肯定できるように。
子どもの回復はそこからスタートです。