不登校ひきこもり 思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


症状は変わらないけれども、名称や分類が変化する「発達障害」

「発達障害」も時代により変化していきます

前回の記事で「反抗期」ではなく「自立期」と考えた方がいいんじゃないか、ということを書きました。


【こちらがその記事になります↓】

ssbluesoudan.hatenablog.com

 
同じような感じで名前から受ける印象が悪い「発達障害」も、何とかならないものかと娘の診断直後から感じていましたが、医学的には名称が何度か変わっていますね。

DSM-5(米国精神医学会の精神疾患と障害の診断手引き)では、『スペクトラム(連続体)』という見方を採用するようになって、「自閉性障害」「アスペルガー障害」「広汎性発達障害」を廃止し、いくつかの名称を統合して「自閉スペクトラム症」に切り替えたそうです。

また、あまり浸透はしていないようですが、日本では『developmental disorder』の訳し方の問題で、「発達障害」でも「発達症」でもどちらでもいいということになっています。


専門家の中にも実際言い方を変えて活動している方はたくさんいらっしゃるんですね。
わりと新しい言い方として「発達の偏り」と表現する方もいるとのこと。
どことなく気質として表現している風で、マイルドな感じ。
また、名称ではありませんが、「障害というよりも個性や特徴に近いもの」と言っているドクターもいます。


こうした流れがあるからなのか、最近私のカウンセリングを受けてくださる方や、おしゃべり会に参加してくれるお母さんたちから、「発達検査をして結果を聞いたけれども、何かとはっきり教えてもらえなかった。」
という話をよく聞きます。

おそらくこれは、発達障害とは言われたけど、その分類が何かを教えてもらえなかった、というケースと、いわゆるグレーゾーンだった、という二つのパターンがあるのではないかと思います。

医療機関でもこうした感じでぼんやりと説明する傾向があるようですから、これは、発達障害がいわゆる「障害」ではなくなる、過渡期だと考えていいような気もしてきます。

 

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そうは言うものの、実際にわけのわからないことで苦しむ親子は大勢いるわけで、子育ての現場である個々の家庭では、専門的な知識のある医療機関の人たちとは大きな隔たりがあるのが現実です。

発達障害の特徴を持つ子は、特に思春期に不調が出やすいですから、親子で困り果てて藁をもすがる思いで検査までこぎつけるわけですが、発達障害と診断されないと、逆にどうしていいのやら途方に暮れてしまうんですね。

発達障害は病気ではないですから、診断されたから完治を目指して治療を始める、ということとも違います。
診断があろうとなかろうと、親が取れる対応もほとんど同じなんですけど、まだまだ、「治療で治るもの」と期待を寄せる親御さんが多いような印象です。

子どももストレスが強い状態が長く続くと日常生活に支障を来たすようになりますし、そうなってくると二次障害が治療の対象となり、発達障害の診断はますます関係なくなってきます。

名前が及ぼす影響の大きさを利用する

であれば、発達障害の診断にこだわらず、お子さんを「ST(スペシャルタレント)気質」のユニークな存在として受け止めた方が、前向きな心持ちで子育てできるのではないかなぁ、と私は思います。

うちの娘の場合はADHDの診断が付いていますが、それでも私は娘を発達障害ではなくST気質と理解したことで、育てにくいと感じていたのがウソみたいになっていますよ。
私自身の発想の転換で、いつも彼女の「面白いところ」に注目できるようになったからでしょうか。

もちろん、現実は楽しいことばかりではありません。
でも、どんな出来事でも一呼吸置けば、勉強になる「面白いこと」になっていきます。
不思議なことに、そういう力を持っているのがST気質さんのなせる技なのです。

「障害」とか「グレー」なんてややこしいのより、「スペシャル」な方が、楽しいですもの!
同じ現象なのに、呼び方一つでこんなに受け取り方が変わるなんて不思議ですが、これも言葉のマジック、言霊なのかな、と思います。

別にね、ここで言ってる「ST気質」にこだわらなくてもいいんです。
本人も含め、周囲の人がそのユニークな個性をポジティブに進化させることができればOK。

ぜひ、みなさんも親しみを込めて使える表現を見つけてください。
そして、それを親子で共有できると、世界が変わってきますよ。