思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


子どもの話を「聴くこと」 第一段階

子どもの話を「聴き切る」コツ


前回までのブログで、「過干渉」な親から脱するには、
「親からは話しかけない。」「親の意見は言わない。」
とお伝えしました。

【こちらの記事が参考になると思います。↓】

ssbluesoudan.hatenablog.com

その続きが「聴くこと」です。
話しかけない代わりに、子どもからの話をよ~く聴くのです。

不登校について勉強する前の私は、子どもの話を「聞く」時に何か特別気を付けるという感覚がありませんでした。
せいぜい顔を見るくらいです。
しかし、勉強を重ねると「聴く」という行為は大変テクニックが必要なことだとわかりました。

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「聴く」ためには、言葉の意味だけではなくって、どんな気持ちからこの言葉が出てくるのか、心の中まで「聴こう」としなければならないんです。
視覚、聴覚だけでなく、第六感も駆使するつもりでやるのだそうです。

こういう聴き方をするには真剣に集中しないとできませんから、子どもから呼ばれたら何をしている途中でも手を休めて、ちゃんと子どもの側で聴くようにします。
遠くで話しているのを、姿も見ないで聞くのはNG。

ただしST気質の場合は視線を合わすのが苦手な子も多いので、無理に目を合わさず、並ぶようにして話を聴いてもよいでしょう。

「目を見て話しなさい」と教わってきたお母さんも多いでしょうから、わが子にもそう教え続けているかもしれませんが、思春期ブルーの子にそれを強要するのは酷かな、と思います。

私の場合、娘の肩を揉んでいる時に話を聴くことが多かったですよ。
肩揉みポーズだと、二人が同じ方向を向いていて顔が見えないので、娘は話しやすかったのかもしれません。


さて。
親が子どもの話を聴く具体的なコツとしては、

  • 子どもの話は、決して遮らず、最後まで「聴き切る」こと。
  • 相づちはいいけれども、親の意見を言うのはNG。
  • 相づちの進化系として、相手の言葉を「繰り返す」ことと、本人がうまくまとめて話せず言葉に詰まる場合は、代わりに「要約する」のはOK。

やってみると、とっても難しいですよ。

大抵、途中で疑問が生じて質問してしまったり、聴き返してしまうのです。
頭ではわかっているつもりでも、実践するとなるとかなりコツが要ることがわかると思います。

勘の鋭いST(スペシャルタレント)気質の子は親の変化を見抜いています

私と娘の例ですが、私が自分から娘に話しかけなくなり、娘の話を聴こうとし始めたところ、勘がいい娘はこれまでと違う反応をする私にすぐ気づきました。

そのため、普段よりも一層攻撃的な言葉を使って、私の反応を見るようになりました。
私が本当に変わろうとしているのか、今だけのことなのか、確かめているんですね。

「決めつけるな!」
「こっちがしゃべってるのに、邪魔するな!」
「話してる時に言われるとムカつく!」
「そうやって、いっつも、いっつも!!!」

こういう風になると、もう会話は続行不能
失敗するたびに「聴き切る」ことの難しさを実感したものです。

思春期ブルーの子どもとの信頼関係を回復するには順序があります

おそらく、思春期ブルーの子どもが「自分は親から信じられている」と実感できるのは、親が黙って最後まで自分の話を聴いてくれることで芽生える感覚だと思います。
親から何か言われることではありません。

何も要求せず、意見もせず、アドバイスもなく、黙って聴いてくれた、という実感が「信じられている」という自信につながるのです。
そして、「これまで信用できなかった親のことをちょっと信用する気になる」という順序です。

親はひたすら黙って聴く。聴き切る。
失敗しながらもこれを繰り返し行なっていくうちに、私の娘の場合は少しずつ少しずつ警戒感が薄れてきました。
しゃべる時の様子が明るくなり、回数も増え、何よりぶっきらぼうでなくなりました。
トゲトゲと攻撃的な口調もなくなりました。
ようやく、最悪の関係が終了し、信頼関係が生まれてきたのです。


信頼関係が回復するまでのポイントは3つ。

  1. まず「過干渉」を止め、親からは話しかけません。
  2. そしてとにかく「子どもの言っていることを黙って聴き切る」こと。親の意見は言いません。(上記のコツを忘れずに!)
  3. 子どもからの要求には「過保護」に、無条件に応じます。 

 

親から話しかけないと聞くと、家族の雰囲気が冷え冷えしてしまう、と考えるお母さんも結構いると思いますが、その心配は無用です。
親が話しかけるから、冷え冷えするんですから。
親から話しかけなければ、家族の団らんはむしろ増えますよ。

わが家が本当にそうでした。
これまでの私は、それだけ娘の話を遮っていた、というわけですね。

親が自分の欲から離れて真剣に取り組めば、子どもの態度は数週間で変化します。
娘の場合は2週間ほどでした。

しかし、そこがゴールではありません。
ずっとこのやり方を続けていくことが大切なのです。

そして、子どもから信頼されていることが実感できるようになったら、「聴くこと」も次のステップに進んでOK!

では、長くなるので、この続きはまた次回に書くことにしますね。