思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話

過保護と過干渉について 4

過保護の実践  動編


私は思春期ブルーの子への対応として、親は上から目線の態度をやめて「過干渉」にならないようにし、そのかわり「過保護」に対応しましょうと説明しています。
不登校やひきこもりの思春期ブルーの子は、心のエネルギーが著しく低下しているため、親の慎重に考え抜いた対応が必要です。

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特に登校しぶりや不登校になりたての子は、子どもからのアクションも少なくて親としてはついあれこれ世話を焼きたくなりますが、ここはぐっと我慢のしどころですね。

親の方から「何か欲しい?」「何食べたい?」「何かしたい?」と質問するのは過干渉でNGです。
子どもから具体的に「欲しい物」「したいこと」が提示されるまで、話しかけないで待ってください。

パソコン、タブレットスマホ、ゲームなどは、すでに持っているお子さんも多いかもしれませんが、不登校の子どもがしたがることの代表格ではないでしょうか。
これらは、学校に行けない子どもの必需品です。
不登校の子どもたちを理解している先生ほど、その手のグッズは「薬だと思って与えなさい」と言います。

不登校の子にとって、自宅が安心できる場所でないと、バーチャルな場所に居場所を求めるしかなくなってしまいます。
どんな人も、逃げ場がなければ病理の域に行くしかなくなってしまいますから。
二次元の世界でも、ネットの世界でも、居場所があるだけいいのです。

でも多くの親は昼夜逆転が、ゲーム依存が、ネット依存が…」と心配します。
しかし、これも過干渉。
なぜなら、もうすでに子どもは親の価値観を知っているので、昼夜逆転が悪いことも、ゲーム依存が悪いこともわかっているのです。

親は、(わかっているけど、やめられないんだ)(今のこの子には必要なんだ)と心の底から信じることが「過保護(=子どもの願いを叶えること)」につながります。
必要なことだと親が信じられれば、子どもに使用時間のことで口を出したり、嫌悪の表情で見ることもなくなりますね。

コツは子どもの要求を無条件で受け入れること


不登校初期の子どもの、ぺちゃんこに潰れた自己肯定感、自尊心は、まず親から信じられることで、再び膨らみ始めるのだそうです。
親から信じられていることが実感できて、家で安心して過ごしていいことがわかってくると、だんだんとぺちゃんこだった心が膨らんできて、やってみたいことができ、欲しい物が出てくるという順序です。

新しいゲーム機やソフトが欲しい、課金したい、と言い出します。
なんとかフェアとか、コンサートとか、オフ会に行きたいとか、外に出たくもなります。
そのための新しい服やバッグが欲しいと言うこともあるでしょう。

そういう具体的な物を欲しがった時に、
「次のお誕生日」「学校行けたら」「テスト受けたら」
などの条件はNGです。
ましてや、
「今あるのでやればいいでしょ。何にもしてないくせに。」
など、論点をすり替えた人格否定は以ての外。

何かを買うとなると、金額的な基準はご家庭によって差はあるでしょうが、ちょっと無理してでもできるだけ子どもの要求に「無条件で」応じるのが良いのだとか。

子どももこれまでのやり取りで、うちのお財布事情はちゃんと理解していますが、まず親を試しますからね。

ここで親が「NO」を突きつけると、今までと同じですから、また時間を置いて同じことが繰り返されるのです。
しかし、これまでと違って、親が快く「OK」すれば、子どもは自分が信じられていることを感じて、無理な要求は次第にしなくなります。

子どもは、「要求」することで、親から信頼されているかどうかを判断しているのです。
そこが「過保護」にすることも難しい所以。
親が試されているのですから。

無理難題な要求にも、まず「OK」「Yes」で答えてくれるか。
結果的に「NO」でも、まずは自分(子ども)の気持ちを汲んでくれたか。
一緒に代わりになるものを考えてくれたか。
それをテストしているのです。

話の聞き方、持って行き方一つで、子どもは自分が信頼されているか、操られていないかを敏感に察しますから、親は、子どものやりたいこと、好きなことを快くサポートしてください。

面倒がらず、一緒にスケジュールを考えたり、場合によっては親の方の予定を変更することも必要になってきます。
多少お金をかけることもとっても大事なことで、この時期が“お金のかけ時”なんだそうです。
(これは故金馬宗昭先生の教え)

そして、何よりも、親が子どもと一緒に楽しめるようになるといいのです。
最初はポーズでも仕方ありません。
それも子どもはお見通しですから。

わが家の場合は、私もアイドルグループのファンクラブに加入しました。
最初はコンサートチケットに当たりやすくするためでしたが、徐々に娘から信頼されるようになり、一緒にコンサートに行くようになりました。
これまで娘の聖域だった世界に、私も招き入れて貰えたのです。
「過干渉」せず「過保護」にすることで、このように親子の信頼関係が回復しました。

金銭的なことやスケジュール的なことでは、確かに犠牲にしてきたことはあったと思います。
しかし、それでも、一度は壊れた娘との信頼関係が作れたのですから、やはり“お金のかけ時”は先送りにしない方がいい、というのが私の実体験から言えることです。

ただし、そこに下心があってはいけないんですけどね。
ご参考までに。