思春期ブルー相談室ブログ

家族支援カウンセラー海野しぶきによる不登校・ひきこもりの解説と、わが家の話


過保護と過干渉について 1

思春期ブルー的視点で見る過保護と過干渉の違いは?


不登校の勉強をしていると「過保護」「過干渉」は頻繁に出てくるキーワードです。

どちらも「子どもを大事にしすぎる」という意味を含み、同じような内容としてとらえられることが多いですが、思春期ブルーの子どもに対しては「やって正解」「不正解」の、全く逆の意味になってしまうんです。

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どちらが良くて、どちらが良くないかを理解するためには、「誰の願いか」ということをを考えるようにすると理解しやすいと思います。

まず、子どもからの視点で考え、子どもの願いを叶えることが「過保護」です。
子どもの欲する「あれが欲しい」「これがしたい」にまず親が「OK」と答えることになりますね。

逆に、親からの視点で見て、子どもに親の希望や要求を叶えさせようとすることが「過干渉」
根底に親が上で子どもは下の上下関係が根強くあり、上から目線が抜けません。
親が先回りして子どもの前にレールを敷くことは、親の望み通りに子どもを動かすことになりますから過干渉となります。

このように聞くと、大抵の親は「過保護」ではなく「過干渉」であることに気付くと思います。
子どもに何か要求されたらまず「えー!」「そんなの無理」と拒否し、「じゃあテストの点数が上がったらね」などと論点をすり替え、親の願いを叶えさせるために子どもを動かすでしょうから。

不登校の子は自己肯定感が著しく低くなっているので、特に「過保護」に接する必要があります。
不得意なことの多いST気質(発達障害)の子も自信を失っていることが多いので、結局は同じ対応を取ることになります。

しかし、やってみるとわかりますが、すべての願いを無条件に叶えて過保護にすることは、相当難しいです。

おそらく、
「あれが終わったらね」「次にこれができたらいいわよ」など、あれこれ条件を付けているのが日常でしょう。

また、子どもに親の願いを叶えさせようとしていることが良くないんだとわかったつもりでいても、すべての過干渉要素を排除するのは至難の技。
それは、頭の中に「理想の子ども像」があるからにほかなりません。
この「理想の子ども像」は過干渉の最たるもので、これがあると過保護になりたくてもなかなかなれないのです。

過干渉。理想の子ども像を子どもに押し付けていないか

私の場合、「理想の子ども像」といってもそんなに大層なものではないと思っていました。
ちゃんと返事をする、
挨拶をする、
言われたことはすぐやる、
当たり前のことは言われなくてもできる…、
などなど。

子どもが小さい頃は「しつけ」として親が教えるようなことを、本人自らできれば十分だと思っていました。
しかしどんなに簡単と思えることでも、相手が特殊なSTタイプの子どもだと、いつまでもしつけが完了しません。
指示が通らないからです。
(この言い回しも、発達障害の勉強をするようになって知りました。よく考えると上から目線のひどい表現ですよね。)

そのため私は子どもが思春期に入っても、進歩のない同じような言葉かけを続けていました。
「挨拶は?」
「返事は? 」
「出かける時間、あと○分だよ」
「(食事の時の)姿勢!」
「学校からの手紙があるなら出して」
「歯磨きは?」
毎日毎日キリがありません。

ST気質の特性上、娘からの「今日の報告」というのがないですし、これまでの実績で、話しかけると機嫌が悪くなるとわかっているので、親からは最小限の「要望」「要求」だけ。

当の本人は、親から言われることはわかっているようなのですが、急かされたり命令されるのが嫌だったり、幾つもの用事を覚えられなかったりと、ST的な脳の構造上、どうにもならない特性があります。

そこに、親がしつこく「要求」ばかりするのです。
娘は、私に「怒り」しか見せなくなり、親子関係がこじれにこじれてしまいました。
だから、子どもがST気質だと早目にわかった方が、適した対処ができて良いはずなのですが、わが家のように明らかな問題が生じないと、気づかないケースも多いんですよね。
それだけ、子どもは頑張り屋さんだということです。
耐えに耐えに耐え抜いた結果の「思春期ブルー」なのですから。

私は
「親として当たり前のことを言っているだけ。」
「だって言わないとやらないし。」
「大人になって困らないようにするのが親の役目でしょ。」
と思っていました。

ただ単純に「親の言うことをきく子」になってもらいたくて、延々と同じことを言い続けていたのです。
しかし、子どもはロボットではありません。
「親が言えば(なんとか)やる」というシステムは、概ね10歳くらいまでで終了らしいですよ。
特に人の感情に敏感なST気質の子は、もう少し早くその時期が来るようです。


では、長くなるので次回に続きます。